「岩盤規制」と「核家族」と「核兵器」

人間は言葉で考えます。しっかり考えるためにはその言葉の意味がはっきりしていることが望ましいでしょう。例えば,「岩盤規制」と「核家族」です。「岩盤規制」は一見、勝手に地下資源を掘ってはいけないとか、脆い地質は崩壊の危険性があるから気をつけろ、などという話しかと思っていたら,実際は日本社会の様々な規制を緩和するに当り、その対象に上げられている取り払うのがなかなか難しい規制のことでした。岩盤のように固い規制を取り払っていこうということのようです。「岩盤」は「例え」なのでした。

「核家族」は、以前から使われていて、両親と子供で構成された少数の家族の単位くらいのことかなと思っています。調べると、いやこのことも対象だなどと、定義はまだまだ増えそうですが,何れにしても、家族の単位を表す用語です。「家族」は例えではありません。もともとは、米国の文化人類学者の方が造語されたようですが、そのときの家族の定義は、いま、私たち日本人が定義しているものとは多少ちがっておりました。研究対象になった社会がちがっていたのです。

脱線しますが,「原子力村」というときの「村」は例えです。日本にそんな自治体はありません。

さて、「核」はどうでしょうか。「核家族」と「核兵器」を並べてみましょう。漢字は同じ「核」です。英語も nuclear family 、nuclear weapon で同じ「nuclear」です。

質問です。どちらの「核」も同じ意味でしょうか。それとも、どちらかの「核」は例えでしょうか。(突然終わってすみません)

 佐々木進市